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CSとの連携で見えてきた、越境するプロダクトディスカバリーの考え方と取り組み|Shippio立石さん

  • イベントレポート

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立石 健太(たていし けんた)株式会社Shippio Product Manager

2019年LINE株式会社に新卒で入社し、フードデリバリーサービス領域のサービス改善に従事。株式会社出前館とのサービス統合プロジェクトに参画し事業統合などのPMI 業務を経験した後、同社の新規事業責任者としてサービスの立ち上げを指揮。2022年2月に株式会社Shippioにプロダクトマネージャーとして入社。現在は物流事業者向けプロダクトの0→1を担当。

今回は、国際物流のDXを推進するShippioでPdMを務める西藤さん・柳沼さん・立石さんを招き、「PdMと他部署の越境や顧客課題の理解、本質的な価値提供の秘訣」をテーマにLTイベントを開催。(全3記事)

立石さんからは、CSと連携した顧客課題の発見と、最適な解決策の提案について、具体例も交えてご紹介いただきます。

CSとの越境活動によって、顧客に「最速で最大の価値」を提供できる

立石:
現場レベルのPdMが越境活動をする中で、今までの体制よりも「最速で最大の顧客価値を生めるようになった」と考えています。

実際に顧客が弊社のプロダクトを使い始めてから、顧客の利活用が進むまでには、CSとPdMにとっての2つの価値創出のサイクルがあります。

CSの価値創出のサイクルでは、左上の「Onboarding」からプロダクト利用をスタートさせ、「Adoption(=利活用)」を開始。「Expansion」で最初に想定していた利用シーンとは異なる利活用を進めていく段階を経て、「Product FB(=フィードバック)」を重ねていきながら、プロダクトを使い倒してもらいます。

一方でPdM側のサイクルでは、まず、CSと顧客との対話の中で生まれたプロダクトに対するフィードバックを回収。次の課題や提供できる価値を特定する「Discovery(=プロダクトディスカバリー)」活動を経て、特定した課題を実際に実装していく「Design(デザイン)」や「Delivery(デリバリー)」を実施します。

最後に「GTM(=Go To Market)」の段階で、顧客にプロダクトの新しい価値を還元していきます。

これらのサイクルは「八の字」の形で密に連携しており、CSとPdMの連携がうまくいかなければ、私たちが想定する価値を顧客にうまく届けられません。

しかしながら、多くのスタートアップではスピードが命。CSの価値創出サイクルを待っていてはフィードバックを得るのが遅いことや、想定していたプロダクト利用ではなく顧客に対してのオンボーディングに手戻りが発生してしまうなどの課題があると考えています。

そこで思い切って、PdMがCSのサイクルにまで入り込むことで、より早いタイミングで顧客の課題の探索ができ、より良い提案が可能になると仮説を立てました。

Onboarding「ユーザーの業務全体におけるプロダクトの役割を捉える」

ここからは「越境活動」の具体的な取り組みについてご紹介します。1つめが、ユーザーの業務全体におけるプロダクトの役割をCSとのヒアリングを通して正しく理解することです。

プロダクトのフィードバックを待っているだけでは、フィードバックの背景にある目的がなかなか見えてきません。そこで、「Onboarding」の段階でPdMもCSと一緒にヒアリングをします。顧客の業務フローや関係者を把握し、業務の課題や悩み、その原因を分析していきます

「Onboarding」段階でヒアリングに参加することで、プロダクトに関する視野が広がり、個々の顧客が抱える深刻な課題と想定される対応策を事前に把握できるようになりました。

Adoption「業務の構造を整えて、利活用のベースをつくる」

2つめの取り組みが「Adoption」段階において、顧客の業務フロー自体を整えることで利活用するベースをつくることです。

ヒアリングの中で、私たちのプロダクトを使ってもらうのに、現状の業務フローが最適ではないと判断することがあります。

たとえば、業務で使っているExcelのフォーマットや情報が関係者ごとにバラバラで、手直しや修正に膨大な時間をかけていた事例がありました。ここで、フォーマットの統一をPdMが提案した結果、プロダクト導入までの無駄なステップを省くことができ、リードタイムが大幅に短縮されました。

PdMはプロダクトをスムーズに使ってもらうための地ならしを見据えて動くことが大切です。

Expantion「さらなる顧客価値を手段を問わず実現する」

3つめの取り組みが、プロダクトの活用を拡大する「Expansion」段階で、さらなる顧客価値を手段を問わず実現することです。

新しいプロダクトを実際に開発する以外に、簡易的な改修やオペレーションの見直しなど、顧客の課題を低コストで改善する方法はたくさんあります。

「より早く価値を届けるためには何が最適か」を常に考えながら、顧客課題と向き合うことが大切です。

変化の渦中にいるときこそ「越境してでも顧客の価値をつくる」

セールスやCSとPdMのそれぞれの役割が明文化され、うまく連携できるようになれば越境活動は必要なくなるかもしれません。

ただ、事業フェーズが変われば役割や連携の形も変わります。体制に変化が生じたときこそ「越境してでも顧客の価値をつくる」姿勢が重要です。

本LTのスライドはこちら

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変化を起こすのが難しいレガシー産業で「海を越えてモノが届くのは当たり前ではない」という貿易課題とデジタルプロダクトの観点から向き合うShippio。

PdMの業務範囲にとらわれすぎず広い視点でCSやセールスと協業していくことで、顧客に提供できる価値を高められることがわかります。


LboseのPM勉強会では、参加者からの質問への回答も行なっています。今回のイベント内でいただいた質問の一部をご紹介します。

◆業界の専門知識が問われ、業界内での標準化が進んでいないレガシー業界でどのように知見を深めていますか?
◆プロダクト立ち上げ期にCS・セールスに頼りすぎると良くないというお話がありましたが、ユーザーの解像度を上げにいくPdM側の動きと、CS・セールスとの間で衝突は起こらないのでしょうか。
◆他部署を巻き込み、健全な開発組織をつくるうえで、どのような人材を開発組織に入れるべきだと考えますか?

登壇者に質問ができるのは、イベント参加者限定。オンラインイベントですので、学びを深めたい方はぜひご参加ください。

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