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“真の地方創生”を実現する。山形から生まれた「チイキズカン」の挑戦

  • お客様インタビュー

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株式会社チイキズカン

「地方を超えろ」をビジョンに掲げ、地方企業と都市部の経営人材をつなぐダイレクトスカウトサービス「チイキズカン」を展開。地方企業に対し、都市部で働くハイキャリア人材を複業ワーカーとしてマッチング。新規事業の創出を推進することで、地方創生を実現する。

日本企業の99.7%を占める中小企業。特に地方の中小企業では経営者を支える経営人材、“右腕”の不在が大きな課題のひとつになっています。

これを解決するため、山形県庄内地方で地域課題を希望に変えるまちづくりをしているヤマガタデザイン株式会社の山中大介さんと、元・NewsPicks代表取締役CEOの坂本大典さんは、株式会社チイキズカンを設立。

都市部の経営人材を、複業として地方企業にマッチングする「チイキズカン」をリリースしました。「本当の意味で、地方創生を実現したい」と坂本さんは語ります。

ATTEND bizで「チイキズカン」の開発を支援したエルボーズも、熊本に本社を構える地方企業で、チイキズカンが挑む課題の当事者です。こうした背景から坂本さんにチイキズカンの取り組みについて、お話を伺う機会をいただきました。

地方企業の課題は経営者の“右腕”の不在

―― どのような課題感から「チイキズカン」をリリースしたのでしょうか?

地方が抱える課題のひとつに、経営人材の多様性がないため、企業の成長が頭打ちになりやすいことが挙げられます。これを解決しなければ、地方経済の縮小は止まらないでしょう。

逆に言うと、経営人材を多様化できれば、地方企業もグローバルに戦え、地方創生にもつながると考えています。

そこで都市部で活躍する経営人材を、複業として地方企業にマッチングする「チイキズカン」を考案しました。最終的に地方企業の成長を通じた、地方創生を目指しています。

―― 経営者と同じ目線で事業を推進できる“右腕”がいないケースが多いのですね。そもそもなぜ、地方企業に可能性を見いだしたのですか?

都市部のスタートアップより地方企業のほうが、グローバルでの競争力が高いと考えているからです。その理由は、大きく3つあります。

まず、意思決定構造がシンプルだから。次に資金や顧客基盤が安定していて中長期的な事業計画を立てやすいから。そして、地方には日本が世界で戦うための豊かな食や観光資源、ものづくりに対する高い技術力があるからです。

一方で、地方企業は社長の足りない能力を補える経営人材を確保できないため、新規事業に取り組めず現状維持になりやすい傾向にあります。

そのため、地方企業と都市部の経営人材をマッチングする「チイキズカン」が価値を発揮できるのではと思いついたのです。

まずは地方企業に複業人材の価値を伝える

―― 地方企業と複業人材をマッチングするため、具体的に取り組むことを教えてください。

チイキズカンが取り組むことは2つです。1つ目は、地方企業に複業人材の価値を伝えること。同時並行で、都市部の人材にも地方企業で複業するメリットを伝えていきます。2つ目は、地方企業や都市部の経営人材に納得してもらうための成功事例を創出することです。

現在の日本はどの業界も深刻な人手不足で、転職マーケットは売り手市場。一方、複業マーケットは買い手市場です。そのため、いずれは多くの企業が複業人材を採用し始めると予想しています。

企業が複業人材の採用基盤を整えるには、時間がかかります。そのため複業マーケットが買い手市場のうちに、優秀な複業人材を獲得しておくことは、将来的なアドバンテージにつながるでしょう。

―― そうした複業人材の価値を理解してもらうためにも、成功事例を創出していくと。

その通りです。もちろん失敗事例も多く出るでしょう。しかし、いくつか成功事例を作れれば、世の中の認識は変えられます。

それに都市部より市場の縮小スピードが早い地方企業に参画した経営人材は、自ずと世界に目を向けてビジネスを展開するはず。

その結果、地方企業に新規事業が生まれることで雇用や経済がうるおい、地方創生につながると考えています。

地方企業による新卒採用・M&Aも支援したい

―― 最後に、今後の展望を教えてください。

地方企業の複業人材の受け入れが進んだあとは、新卒マーケットで地方企業が存在感を発揮できるようにしたいと考えています。

例えば、現時点では総合商社や大手コンサル会社に就職しているレベルの若手人材が、地方企業に興味を持って新卒入社する流れを作れれば、地方創生に大きなインパクトを与えられます。

また地方企業によるM&Aの仲介にも取り組みたいです。地方企業が買われるケースは多くありますが、その逆があってもいいですよね。上場はできなかったものの一定の規模に成長したスタートアップを地方企業が買収するとか。

―― 地方企業が、対局の存在である都市部のスタートアップの風を取り入れるわけですね。

地方企業がスタートアップのカルチャーから刺激を受ければ、新規事業を始めたり、グローバル展開を模索したりといった変化が促されると考えています。

このような地方企業の変化を通じ、真の地方創生を実現することが、今後チイキズカンとして取り組んでいくことです。

―― 今後もチイキズカンの挑戦に注目しております。坂本さん、貴重なお話をありがとうございました!

都市部の経営人材を、複業として、地方企業にマッチングする「チイキズカン」

サービスサイト:https://lp.chiiki-zukan.com/biz/service

ATTEND biz編集部(執筆=北森悦/編集=園田遼弥/撮影=三浦えり)

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