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【Notion×Lbose】フルリモート・フルフレックス組織がたどりついた「究極のNotion活用術」

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エルボーズがNotionを導入したのは2020年7月。使用者それぞれがページを作成していく“魔改造期”を経て、プロジェクトを管理する「プロジェクトキット」の制作や、「ハンドブック」の整備などをしてきました。

「Notionの導入や活用を悩んでいるので、他社事例を知りたい」
「Notionを用いた仕組みづくりや活用方法を知りたい」

そんな疑問に答えられるよう、今回はNotion Labs Japanの早川和輝さんをゲストに迎え、エルボーズを事例にしたNotion活用についてお話しします。

Notionを導入。人数が増えるに伴い、魔改造期に

Notionを導入した当時のエルボーズは、まだ少数のフリーランスが集まった組織でした。その後、組織が急拡大し、今では約200人のフリーランスや副業などのメンバーが集まりました。働く時間も場所も異なるため「非同期コミュニケーション」が多い組織になりました。

また、新規事業を中心としたプロジェクトに平均して1〜2年伴走するため、同時に10〜20件を進行。プロジェクトのフェーズや専門性も変わるため、チームメンバーの入れ替わりもあります。

そんなエルボーズでは、プロジェクトや職種ごとにSaaSを導入すると膨大なコストがかかってしまいます。さまざまなツールを使いすぎて、必要以上の機能に必要以上のコストをかけてしまう「ツールの肥大化」が課題に……。そんな時に出会ったのがNotionでした。

Notionでは自社に最適な機能が1つのツール上で作成・管理できるため、プロジェクトメンバーごとの権限管理やツールの肥大化を抑えられたのです。

導入初期は各々がページを作成・使用していたため、半年に1回メンテナンス日を設けてサイトを整備していきました。メンバーがツールに慣れ、人も増えてきた頃は、マネージャーごとにデータベースを作り、そのデータベースを他の人がコピーしてアレンジしてNotionのページが増えていきました。

しかし、ここで問題が発生しました。一部の人にだけ使え、新しく入ってきた人は扱えない、そんな「魔改造期」に突入したのです。そこでメンバー全員が使えるNotionにするために「開発Opsチーム」を立ち上げ、データベース構築や社内Wikiなどを構築していくことになりました。

開発Opsについてはこちらのnoteで紹介しています

“全員が使える”プラットフォームをNotionで開発

チームの急拡大にともない、メンバー管理や社内ルール、プロジェクトの進捗管理に課題が出てきました。そんな課題を解決するために、エルボーズでは次の3つをNotion上で整備して、組織に合わせた“全員が使える”プラットフォームづくりに取り組みました。

1.メンバーのデータベース
2.社内Wiki(ハンドブック)
3.プロジェクトキット

1.メンバーのデータベース

エルボーズでは採用を強化していく中で、候補者から採用後のメンバーまで一括で管理できるツールを探していました。しかし、一般的な採用ツールは社員採用を対象としており、フリーランスもいるエルボーズでは活用できませんでした。

そこでNotionを活用し「メンバーデータベース」を作成。採用候補者からメンバーまですべての人材を管理できるようになりました。

採用候補者を「面接した人」「面接後の声かけ中」「検討中」「参画手続き中」「参画済み」などさまざまなフェーズに合わせて一覧で見られるようにしています。

採用チームが候補者の情報をデータベースに入力し、各部門のマネージャーや役員が面談の内容をメモを入れるなど、選考情報を管理しています。採用後、チームに参画する際は各部門のマネージャーがデータベースを参照して、メンバーに合ったプロジェクトにアサインしていきます。

このように、Notionの「データベース機能」と「ビュー機能」を使いながら、採用から働いているメンバーまで一括で管理が可能になりました。

2.社内Wiki(ハンドブック)

ハンドブックではツールの使い方や社内ルール、稼働ルールなどをまとめています。

ハンドブックはフリーランスが多く所属している組織には必須です。というのも、エルボーズでは1ヶ月の労働時間を自由に組み合わせることができる「エクストリームフルフレックス」を導入しています。また、フリーランスや副業など200人のメンバーが在籍し、新しいメンバーが入ってきます。

しかし、社内ルールやツールの使い方などを答えられるメンバーが限られており、答えられるメンバーの負担が大きかったのです。そんなメンバーの負担を軽減するために制作したのが、社内ハンドブックでした。

現在は、ハンドブックを読んだ上で不明な点を質問する体制にしたため、質問を受けるメンバーの負担は大きく減りました。新たな質問が出たら常にアップデートしながら運用しています。

3.プロジェクトキット

メインで使っているのが「プロジェクトキット」です。エルボーズではメンバーが増え、複数のプロジェクトが進行していくうちに、チーム間の連携やセールスから開発チームへの引き継ぎに課題を抱えるようになりました。

そこで、開発チームとの連携をスムーズにするためにプロジェクトキットを開発。プロジェクトキットでは基本ルールやドキュメント一覧などプロジェクトに必要なフォーマットをまとめているほか、商談から開発の進行管理まで、すべてのプロジェクトを一括で管理しています。


Notion 早川さん:
エルボーズ社のNotionは、使う人のことを考えてきれいに構造化されているところが特徴ですね。魔改造期があったからこそ、小さく仮説検証を繰り返しNotionを使いこなしていったのだと思います。

Notionはゲームの1-1からステージを進めるように、少しずつやりたいことを実現していけるような体験設計をしています。そのためにレゴブロックのように小さなパーツを組み合わたり、作り直したりすることができる柔軟性があるのが最大の特徴です。


年間20案件に伴走!エルボーズを支えるNotionを使った案件管理術

エルボーズでは、商談から開発中まですべての案件を管理する「プロジェクトキット」を活用しています。

プロジェクトを進めていくうえでの進め方や共通認識をまとめた、“社内統一フォーマット”であるプロジェクトキット。プロジェクトに関するドキュメントやスケジュール、タスクなどがまとめられています。

そんなプロジェクトキットは、大きく以下の5つで構成されています。

  • 商談メモ
  • プロジェクトサマリー
  • 開発ドキュメント
  • タスク一覧
  • 議事録

商談メモ

お客様の概要や目的、予算、スケジュールなど、成約前の商談で聞いた情報を共有するための「商談メモ」。営業であるBizDevチームから、実際にプロジェクト・開発を進めていくPMにスムーズに情報共有ができます。

プロジェクトサマリー

契約が決まりプロジェクトがスタートするタイミングでセールスチームから以下の情報が共有されます。

  • クライアントの基本情報
  • Slackのチャンネル情報
  • ステークホルダー、担当者、依頼内容 など

PMだけでなく、開発メンバーもプロジェクトの概要がひと目でわかります。

開発ドキュメント

各プロジェクトの開発に関するすべての情報を管理しているのが「開発ドキュメント」です。リードエンジニアやデザイナーなどの担当者と役割、稼働時間から、コーディングルールやブランチルールなど開発に関するルールを含め、すべての情報を管理しています。

開発に関する情報は機密事項にあたるため、開発ドキュメントはCTOが発行するIDとPassを必須にするなど、閲覧権限を制限して運用しています。

タスク一覧

エルボーズでは立ち上げ〜本番リリースまでのフェーズごとの全体スケジュールと、各フェーズ内で発生する詳細なタスクのスケジュールを分けて管理しています。

また、職種ごとのタスク一覧も表示。誰でも全体スケジュールと詳細なスケジュールを見れるようにし、全員がスケジュールを把握できる状態にしています。

議事録

議事録もテンプレートを作り、統一されたフォーマットでスムーズにミーティングが進むように設計しています。社内外のやりとりをすべて同じ場所に格納し、議事録を社外に共有する際は「社外連携しています」と文言を追加した上で連携しています。


Notion 早川さん:
Notionをうまく活用するコツは、大きな“やりたいこと”を「まずは小さく分けてみる」ことです。「まずこの機能だけを作ってみよう」と決め、公式のテンプレートを真似したり、まずは思った通りに触ってみながら構築するのがおすすめです。それを積み重ねて少しずつ使いやすい「Notionによる組織基盤」ができていきます。


フリーランス組織に必要な「ナレッジが蓄積されるプラットフォーム」

Notionというプラットフォームを活用し改善を続けるために、エルボーズでは「開発Ops(現在はCTO室に統合)」というチームを立ち上げました。

エルボーズにはフリーランスが多く在籍し、つねに10〜20件のプロジェクトが並行して動いています。そんな組織では、エルボーズに入ってすぐにプロジェクトに入るメンバーが多いこと、自己流の方法で進めるため再現性が低いことなどから、「組織のナレッジが蓄積されない」という課題がありました。

課題を解決するため、2022年7月からプロジェクトの活性化を目的に開発Opsチームを立ち上げ、プロジェクトキットの制作をはじめとした、環境整備の取り組みを進めています。

UXリサーチを実施してNotionをアップデート

プロジェクトキットは現在もUXリサーチを実施しながら、アップデートを続けています。たとえばプロジェクトキットの使いやすさや、情報共有のしやすさなどを聞く「UXリサーチ(社内ヒアリング)」を実施し、改善しています。

UXリサーチでは、PM・エンジニア・デザイナーがそれぞれに何を期待しているのかを明らかにし、目線合わせなどのワークショップなどを行いました。

UXリサーチの様子はこちらの記事にまとめています


Notion 早川さん:
使う人のことを考えて作られたエルボーズのNotion。プロダクトマネジメントと同じように、UXリサーチを事前に社内で行なって、使う人がどんな人で、その人がどうしたら使いやすいか、使っていて問題ないのかを社内でヒアリングしたのは大きなポイントですね。


「非同期コミュニケーション」を可能にするためのNotion活用

UXリサーチで気づいたのが「バックグラウンドが違うフリーランスの集まる組織だからこそ、“常識”が異なる」ということ。PMの役割が不透明だったり、仕様の解釈が異なったり……そんな課題が眠っていたのです。

そこで、まずはエルボーズの特徴である「非同期コミュニケーション」の組織で重要視すべきことを整理しました。

とくに、フルフレックス・フルリモートで働くメンバーと認識を合わせるために重要な「情報共有」と「ドキュメント文化の構築」。この課題を解決するためにNotionを活用したのです。Notionの導入をした結果「同じフォーマットになって見やすくなった」「情報のキャッチアップがしやすくなった」などの声が上がりました。

現在は開発OpsチームからCTO室に移動し、プロジェクトキットの改善をはじめ、エンジニアの開発環境を含めた組織・環境のアップデートに取り組んでいます。今後は「Notion AI」の機能なども使いながら、エルボーズがもつナレッジを蓄積して、誰もが見やすいようにまとめていく……なんてこともしていきたいですね。


Notion 早川さん:
NotionではNotion AIのアップデートもしていて、AIを使った情報検索の体験改善にも力を入れています。検索ボックスを開いて、知りたいことを質問をすれば社内のNotionワークスペースの情報だけを使って回答をしてくれるNotion AI Q&Aという新機能もリリースしました。これによって、誰かに聞くことなく今まで辿りつきづらかった情報にアクセスできるようになります。

また、Slack連携やデータベースオートメーションの機能を使ったデータの自動化も活用してほしいですね。Notionのページ上で追加されたナレッジを、自動でSlackのチャンネルに通知されるような仕組みを作れば、Notionに貯めたストック情報が埋もれることなくメンバーに伝わる、なんてことも可能です。


***

フルリモート・フルフレックスで「非同期コミュニケーション」が発生するエルボーズ。さらにフリーランスメンバーが多い組織のため、「部署・メンバー間での共有」そして「一貫して管理できる」ツールが求められていました。

そんなエルボーズではNotionを活用・運用していきながら改善を繰り返し、組織に最適なプラットフォームとして整備してきました。オープンワークスペースから始まったNotionも、外部ツールとの連携やAI技術を取り入れるなど、日々アップデートを続けています。

今回ご登壇いただいたNotion社・早川さんのイベントに関する投稿はこちら


エルボーズのPM勉強会では参加者からの質問への回答も行なっています。今回のイベント内でいただいた質問の一部をご紹介します。

  • データベースの構造はどのようにしていますか?
  • 権限管理や社外共有の方法は?
  • プロジェクトキットの制作期間と、使用者がいる中での仕様変更の際の留意事項や工夫ポイントは?

登壇者に質問できるのはイベント参加者限定。オンラインイベントですので、学びたい方はぜひご参加ください。

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