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文化通信社が挑むデジタルの可能性。BookLinkを成功に導いた月額制開発チームのウラ側

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株式会社文化通信社

1946年創業。新聞業界、出版業界、電子メディアなどメディア業界の情報を扱う週刊専門紙「The Bunka News(文化通信)」、唯一の書店向け情報紙「BBB(Bunkatsushin Book Business)」を発行する。昨年度より地域紙を対象にした「ふるさと新聞アワード」を開催。他にも大型キャンペーン「ギフトブックキャンペーン」「こどものための100冊」を毎年書店・図書館で実施するほか、出版事業やセミナー事業などを手掛けている。

1946年創業の株式会社文化通信社は長年、自社で発行する業界紙を通じて出版業界動向を伝えてきました。そんな同社は2022年、出版社が届けたい出版情報と書店が知りたい情報をマッチングするデジタルチラシ配信サービス「BookLink」をリリース。

「業界を変える可能性がある」と期待されるBookLinkを開発しようと思った背景には、何があったのでしょうか?

今回は、株式会社文化通信社の事業企画室業務統括でBookLinkを発案した山口さんと、デジタル担当の鷲尾さんに、BookLink開発の背景とともに、プロダクト開発サービス「ATTEND biz」に開発をご依頼いただいた理由や感想を伺いました。

書店に山積みのFAX…出版業界の“非効率”を変えるための「Booklink」

――ATTEND bizを活用して、デジタルチラシ配信サービス「BookLink」を開発した背景について教えていただけますか?

山口:
当社は戦後創業して以来、出版・新聞の業界紙「文化通信」を発行しています。主な収益源は購読料と、業界紙に掲載する広告料。私はその広告の営業担当として出版社を回っていて、つねづね、広告の費用対効果を伝えづらいこと、また「広告を出すことの効果自体が落ちてきているのではないか?」という危機感のようなものを抱いていました。

また、過去には出版社の営業をしていたこともあったのですが、営業先の書店のバックヤードには、出版社から送られてきた販促チラシのFAXが山積みになっていたんです。書店では、そのFAXの山をジャンルごとに分けてチェックすることを習慣としていました。

昔から言われていたことですが、出版社も書店もそこにコストを割いているものの、どれだけ確実に伝えたい情報を届けられているのか、知りたい情報を効率的に受け取れているのか――。このコストは出版業界にとって、大きな負担になっているのではないかと考えていました。

そのような背景から、出版社が書店に届けたい販促情報を的確に届けられ、かつ受け取る書店も効率的に情報収集できる「BookLink」を開発するに至りました。

鷲尾:
プロトタイプをリリースする際、書店に事前のヒアリングをさせてもらったら、BookLinkのコンセプトに否定的な意見は1店舗も聞きませんでしたね。

山口:
送られてきたFAXを複合機が自動でPDF化し、自社サーバーに入れる仕組みに変えていた書店もありました。ですが、それはPDFがただずらりと並んでいるだけの状態で、整理されているとは到底言い難い状態だったんです。

実は、スーパーなどの特売チラシをデジタル化して見られるアプリが成功しているのを見ていて。そこから出版社の販促チラシをPDFでアップロードし、検索しやすく見やすい形で提供できるサービスがあるといいのではないかと思ったのを出発点として形にしていきました。

「柔軟な発想と逆提案への期待」ATTEND bizに依頼した決め手

――ATTEND bizに開発をご依頼いただいた決め手は何だったのでしょうか?

鷲尾:
1つは、若くて出版業界に浸かっていない企業であること。BookLinkは当社にとって、これまでにない新しいサービスで、ゼロから創り出す必要がありました。

お付き合いのある開発企業もあるのですが、まったく新しいサービスを開発するからこそ、あえて出版業界の事情を把握してない開発企業に依頼したほうが、柔軟な発想で開発できると考えたんです。

2つ目は出版業界のことを知らないものの、業界独自の商習慣などに対する理解が早かったこと。そして、「ATTEND bizなら逆提案もしてくれそう」と思えたこと。これが一番の決め手かもしれません。

あとは、開発費用を柔軟に対応してくれたことですね。過去には開発して終わりという企業があり、ローンチ後の修正をお願いしようとしたら、見積もり段階から料金がかかってしまった経験がありました。

サービスをアップデートできなければ良いものは提供できないと思っていたので、サブスクのような形で毎月一定額の費用がかかったとしても、長い目で見ればATTEND bizにお願いしたほうがお得だろうと、私は確信していました。

――ATTEND bizの開発チームは、ご期待に添えるチームでしたでしょうか?

鷲尾:
そうですね。実際に、逆提案をしていただき取り入れた機能がいくつかありました。

山口:
「こういう形でやりたいけれど、技術的に難しくて予算がかかりそう……」と思って要望しなかったことを、ATTEND bizの方から「簡単にできますよ」とご提案いただいて実装した機能がいくつかありますね。

もちろん、こちらが簡単そうだと思ってお願いしたら、意外と難しいということもありましたが(笑)。そういったことも含めて、非常にまめにコミュニケーションを取ってくださったので、ありがたかったですね。

鷲尾:
模造紙を囲みながら機能や要件を一緒に洗い出して整理してくださったのも良かったですよね。

山口:
そうそう、共通認識を持てて、とても良かったです。開発に明るくない私たちは、PC上で見ただけだと機能や要件がイメージしきれなかったので。

――あと、PDFをそのままアップロードして掲載できるようにしたのも良かったのではないかと思っています。

小谷:
当初デジタルプロダクトのUX設計としては、フォーム形式で1つずつ情報を入力していく形が一般的というお話をさせていただきましたね。

でも「出版社は通常業務として、各社工夫を凝らしながら販促チラシを作っていて、その根本から変えるのは難しい」というお話から、PDFで掲載できるようにしましたよね。

山口:
そうですね。販促チラシを作ることは、出版社の商習慣になっていますし、BookLinkを通常業務の延長線上に位置付けたかったので。

鷲尾:
ただPDFで掲載した場合、どのように検索できるようにするかが課題で。それでご提案いただいたのが「タグ付け」でした。作業量的にはものすごく重かったと思いますが、検索には効果的でしたね。

山口:
出版業界のBtoBサービスは他にもありますが、ここまで細かくタグ付けできるサービスはまずありません。当社としては、各書店、各担当者にマッチした情報を簡単に見られる・検索できるようにすることで、情報収集の省力化を実現したかったんです。ですから、タグ付けのご提案をいただいた時には「それしかないだろう」と思いましたね。

「使いにくい」と言われたことがない

――BookLinkローンチ後の反応はいかがでしたか?

鷲尾:
書店に対しては詳細な説明を行なっていたのですが、実は販促チラシを載せる出版社側に対しては、詳しく使い方の説明をしていなかったんです。

でも「使い方が分からない」「PDFのあげ方が分からない」という出版社は一社もありませんでした。出版社にとっては、意外と手間がかからないので評価していただいているのだと考えています。

山口:
先ほどもお話した通り、販促チラシを作ることは出版社の商習慣。その業務の延長線上にBookLinkを位置付けたので、出版社に理解していただきやすく、浸透しやすかったのだと思っています。

なかには「このサービスが業界を変えていく可能性がある」と期待してくださっている出版社もあり、涙が出るほど嬉しいですね。

利用数については、まだ満足できる数字に届いていません。ですが、着実に登録数は増えていますし、大きく潮目が変わる瞬間が必ず来ると思います。出版社・書店ともに登録数を増やす自助努力をしながら、潮目の変わる瞬間に向けて頑張っていきたいと思います。

――今後の展望はどのように思い描いていますか?

山口:
当社は戦後創業以来、業界紙というメディアを通じて、出版社が伝えたいことを書店などに伝えてきました。BookLinkは、その延長線上にあると思っています。

今後は書店が平等に販促情報を仕入れられると同時に、1日1回は訪れたくなるような、役に立って面白い情報も発信していきたいですね。

丁寧なコミュニケーションで、齟齬も乗り越えるATTEND biz

――最後に、ATTEND bizへの要望がありましたらぜひお聞かせください。

山口:
模造紙を使って機能や要件を一緒に整理してくださったり、週に1回、30分の定例ミーティングを提案してくださったり、常に丁寧なコミュニケーションを取ってくださいました。

もちろん事前に持っている情報やイメージを、お互いに100%一致させることは難しいもの。それで多少の齟齬がありましたが、ローンチ後も含めて徐々に調整してくださったのは、丁寧で細やかなコミュニケーションがあったからこそだと感じています。

次にまた何かサービスを作ることになったら、またきちんとご相談に乗っていただければと思います。

――山口さん、鷲尾さん、本日はありがとうございました!

小谷:
出版業界の課題感を解決するため、貴社にとってまったく新しいデジタルプロダクト「BookLink」の開発に挑戦した姿勢に感銘を受けました。BookLinkが業界を変える瞬間を楽しみにしています!

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